テスラが走り回る
皆さん明けましておめでとう御座います。2022年はまさにEV元年だった気がしますね。
ん?
何が?
と言うあなた、もう少しアンテナを張った方がいい気がしますよ!
かくいう私も正直言って、こんな事態になっているとは思いませんでした。不覚でした。
テスラです。
そして中国EV、韓国EVです。
日本ではカーオブザイヤーでSAKURA/ekクロスEVが大賞を獲得し、電気自動車がより身近に感じられたかも知れませんし「やはり車は日本!」と別に自分が偉いわけでは無いのに上から目線の方もおられるかも知れません。
しかしそんな井の中の蛙大会が開かれて一喜一憂している横で、着々と、そして、確実に忍び寄っているEVメーカーがいることをご存知でしょうか?
私がテスラを知ったのはたぶん4,5年前だったと思います。その時に覚えているのは「完全自動運転を目指し事故を起こしまくっている車」の認識。
広大なアメリカの単純な道路で上手く行かないのに日本の道が走れる訳がない、と思ったものです。
確かに今現在もテスラは日本で自動運転は出来ていません。しかし、テスラは自動運転の前にEVの市場に抜けない杭を打ちつけていました。
アリアやSAKURAなどの遥か先、いやその延長線上には無い所にテスラはいます。そしてそれに気が付いている情報リテラシーの高い方は既にそれを手に入れ快適なEV生活を送っているのです。
調べれば調べるほど日本のEVは遅れ、世界屈指の自動車メーカーがある日本が窮地に立たされているのに、当の本人たちはそれに目を背けているのかが分かってきました。
テスラは車載タブレットに目的地を設定すると到着時の予想バッテリー残量が表示されます。これは単純に距離と燃費で計算しているのではなく、経路のアップダウンや制限速度や混雑具合といった道路状況を加味して算出されており、かなり精度は高いようです。
これは一例ですが、どうですか?既に日本EV勢と違う次元で進んでいると思いませんか?
またテスラは完全EV車です。後輪駆動を主体としバッテリーやモーターを配置しますが、既存の内燃機関を持ったことがないため、実に自由な配置になっています。それにより、ラゲッジスペースがバッテリーに圧迫されて狭くなる、座席下スペースに無理やりバッテリーを入れるなどがないため、快適な車内空間を実現しています。
またスーパーチャージャーと呼ばれる専用の充電設備を主要都市に配置しており、150〜250kwhという日本のチャデモでは考えられない速度で充電ができます。
またスーパーチャージャーは一箇所に複数台設置されているのも実に強い点です。
今のところ、都市間の移動で困ることはほぼないのではないでしょうか。
そんなこと言ったって、高いんでしょ?庶民には手が出ないんでしょ?とお思いのあなた。調べてみてください。
コンパクトカーレベルとは言えませんが、そこらのミニバンと同等、補助金を入れればそれより安く買えてしまいます。
しかもEV車は元々、静音性を高める構造や材料が使われています。日本車のようにエンジンルームやタイヤハウスから発生する音をどうやって封じ込めようかと「臭いものに蓋」に躍起になっていてはたどり着けない完成度になっています。非常に静粛性が高い。
既存の日本の車造りから考え方を根本的に買えないとテスラには絶対に勝てません。いくらアリアを改良しても、チャデモを山ほど配置しても、そことは違う利便性が既に確立されているのです。
こんな状況でも「それでも日本の車は世界一」と言っている頭の硬いあなた。
iPhoneが日本に入ってきた時と今を比べてみてください。まさに合致しますよ。
スマートフォンなんて日本には合わない。
画面をタッチして操作するなんて面倒。
ブラインド操作できる(日本の)ケータイが一番!
とか、言われてたんですよね。
それがたった数年でスマホですよ。
今や小学生からお年寄りまでスマホですよ。
日本もXpediaが何とか息してますが、その方がマイノリティになってますよね。
iPhoneだって最初はマルチタスクが出来ない、マップが使えないなどとさんざんでしたね。
しかしソフトウェアアップデートやハードの変更により、その地位を不動のものにしました。
1円で投げ売りされていたガラケーを捨てて、15万もするiPhoneを買っているのが私たち日本人なのです。
そしてその状況が車という市場でも起こっていることに、我々もそして自動車メーカーは本気で対処しなければ、iPhoneの時のようにテスラや下手したら中国・韓国EV車に制圧されますよ。
特にトヨタ。水素化を進めるのは大いに結構。しかしEVにも本腰を入れないとあっという間にやられますよ。bz4Xとかいう「性能は関係ない。トヨタブランドがあれば売れる」みたいな出し方したEV車は、散々こき下ろされてますよね。
そしてその他の自動車メーカー。早めにEVシフトするか、テスラに頭を下げて傘下に入れてもらった方がいいのでは?雇用に壊滅的な被害が出ますよ。
日本が技術と努力で積み上げてきた物を労せずに打ち破る、むしろライバルとも思われていない、そんな技術力がテスラにはあります。
ちなみにテスラに対抗できる力を持つ企業は中国のNIOだと思います。
NIOも独自の技術戦略によってEV車を本格展開してきました。
低価格帯では中国のBYD。
テスラ、NIO、BYDが日本中を走り回っているのは後5年後かも知れないし、3年後かも知れない。
そのぐらいのゲームチェンジャー達が、日本以外にいることをまず知りましょう。