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e-powerとPHEVとハイブリッドの違い

2000年に他社より圧倒的な早さと完成度をもって発売されたハイブリッド車の代名詞プリウス。エンジン動力の補助にモーターを持ち、ガソリンエンジンが不得意とする低速でのトルクを補い、さらに減速時に回生による発電(充電)を行うことで今までブレーキパッドの熱として捨てていたエネルギーを回収すると言う非常に画期的なシステムを商用化したものだ。このシステムは2023年現在においても第一線で活躍し、プリウスの燃費は内燃機関トップレベルを維持している。

 

このようなエンジンとモーターを持つシステムは今やTOYOTAだけに限らず日本はもちろん海外メーカーも取り入れているわけだが、ハイブリッドから派生したシステムとしては日産が実用化したe-powerや、さらにサブバッテリーが主役ともなるPHEV(PHV)も登場し、ユーザーの選択肢は

  • 純内燃
  • 内燃+サブバッテリー
  • 完全EV

大きく3つのパターンがある。

 

今回はこの中で内燃+サブバッテリーについて解説してみよう。

 

ハイブリッドシステム(HV)

前述したようにプリウスが2000年に搭載して世に出されたハイブリッド。主役はガソリンエンジンという内燃機関だが、それの補助動力としてモーターを使う。補助動力は特に発進時や急加速などトルクを必要とする場合にエンジンの背中を押してやるように機能する事で力強さと燃費を大きく向上させる。

車が停止する際の制動力をモーターに伝える事でサブバッテリーを充電し、次の発進にそのエネルギーを使うことが出来る。

サブバッテリーの容量は非公開のようだがおそらく500Wh程度と思われる(知っていたらコメントください)

 

e-power

日産が得意とするe-powerもエンジンとモーターを持つ。その構成上よくハイブリッドと混同されるし、「シリーズハイブリッド」とも呼ばるのも勘違いされる要因になっている。

e-powerに搭載されるエンジンはガソリンにより動くがあくまでこれは発電機であり、タイヤを駆動することは出来ない。e-powerの駆動は全てモーターになるので、本来は純EVに分類されるべきシステムである。

発電機を高効率な回転数で使いバッテリーを充電することで、単にエンジンで走るよりも効率的なエネルギー変換率となるため燃費が良く、モーター独特のスムーズな加速や静粛性を持つ。

バッテリーは1.8kWh程度あり、満充電なら発電機を駆動せずに4k〜5mほど走行する事も可能。またハイブリッドと同様にブレーキ回生力を使いこの電力も同時にバッテリーに蓄えられる

EVのスムーズな走行性能がありながらガソリン車のように使えるので、いきなりEVは敷居が高いという方にも最適。是非モーターの乗り味を味わって頂きたい。

ただし、燃費に関してはカタログ値と大きくかけ離れるデメリットも知っておくべき。特に夏、冬に空調を使うと燃費は3割ダウン。また、モーター走行は元々高速走行でも燃費(電費)が落ちまるので80km/h以上で走ると思った以上にガソリンを消費していたという事もある。

 

PHEV(PHV)プラグインハイブリッド

EVと内燃機関のいいとこ取りをしたのがPHEV。エンジンとモーターを持つ。EVと同じようにコンセントからバッテリーに充電しモーター走行できるし、ガソリンを入れてエンジンで走ることも出来る。ガソリンでエンジンを回しバッテリーを充電することも可能。非常に賢い。

EVが苦手とする高速走行時はエンジンを使い、エンジンが苦手な街中でのストップアンドゴーではモーターで走る。バッテリー容量は最新のアウトランダーでは20kWhありこれはカーオブザイヤーを取った日産SAKURA/三菱ekクロスEVと同じ容量である。

e-powerの10倍ほどのバッテリー容量があるので、EV走行距離も60〜80km可能。通勤はEVのみ、高速を使った遠出はエンジンも使うというのが最も効率の良い使い方になる。

これに似たシステムとしてホンダのeHEVがあるが、これはコンセントからの充電はできない。e-powerと同様にエンジン駆動の発電機からだけバッテリーに充電できる。ただ、高速走行ではその発電機がタイヤの駆動に直結される機構ためEVの弱点を補っている。eHEVはコンセントのないプラグインハイブリッドと考えて差し支えない。

PHEVのバッテリーは大きいため車体重量と価格が上がるというデメリットはあるが、現行アウトランダーに乗る限り重量増によるパワー不足は感じないし、重たいバッテリーを床下に配置することで低重心でどっしりとした乗り心地は高級車のようにも感じる。価格も補助金を含めればe-powerと同程度となるため、定価だけ見て諦めるような選択はしない方が良い。

また「動く蓄電池+動く発電機」であるPHEVはV2H(Viecle to Home)に最適である。エンジンで発電した電気を家に繋げば家庭用電気を賄うことができる。特に災害時など電気が絶たれた場合は大活躍できる。ガソリンとバッテリーが満タン状態なら、通常の家庭の12日分の電気を生むことが出来る素晴らしい一面もある。日産リーフが動く蓄電池としてV2Hを謳っていたが、リーフはエンジンを持たない純EVなので発電は出来ない。バッテリーが満充電でも長くて3、4日しか家庭用としては使えない事を考えると、いかにPHEVがV2Hに向いているか理解できる。

 

まとめ

バッテリーとエンジンを持つ車はこのようなタイプがあるが、どれが一番自分に合っているかよく参考にしてほしい。ちなみに長期保有した場合のコストメリットはプリウスのようなハイブリッドが一番であると試算されているが、EV独特のスムーズな走行や静粛性を味わってしまうと、e-powerやPHEVも値段相応の満足感は得られると思う。

ただし型落ちのe-power搭載車だけはやめた方がいい。めちゃくちゃ発電機がうるさい。e-power買うなら現行型のエクストレイルからが良い。