テスラモデル3試乗と今後
テスラは現在モデル3、モデルY、モデルX、モデルSをラインナップしているが、庶民が背伸びして買えるのはモデル3とYになる。
今回モデル3を試乗したのだがこれは私の人生で初めてテスラを運転した事になる。
お邪魔したのは岡山・早島IC近くのHeart UP World倉敷店様。
数々のYoutubeで関東勢が1,000kmチャレンジの終点にする岡山。そして店舗から数キロのところには倉敷 スーパーチャージャーが存在していることもあり、田舎でありながら徐々にテスラも見るようになってきた。
さて店舗に着いてすぐ対応して頂いた方(W氏)と立ち話。テスラへの熱き思いとここ最近調べまくった情報で「こいつ素人じゃないな」と舐められないようにした(素人ですが
そのようにカッコつけたあと走り出そうとしてすぐ失敗した。ウィンカーは左だった。左に曲がって店を出ようとしたためバックに入れてしまったのだ。顔真っ赤案件である。
ここからは忖度なくレビューするし、これを見てテスラを購入候補から外す人もいるかも知れない。もちろん逆の人もいるだろうから、中立な立場でのインプレッションになるように心がける。
車が途切れたタイミングで公道に出たのだが、ファーストインプレッションは「硬い」である。もちろん今乗っているのがファミリーカーの代表、ミニバンなのでそれと比べるのはお門違いである。最近、エクストレイルやアウトランダーに多くの時間を費やした。それと比べるのも違うとは思うが、多くの庶民の意見としてテスラの足回りは「硬い」と感じるだろう。ただ硬いと言ってももちろん道路状況がダイレクトに座席に伝わるとかではなく、ほぼロールすることなく曲がっていく車の挙動についての印象である。
ワンペダルは慣れたものなので特別ギクシャクもしないし完全停止まで出来るのはやはり便利である。ちなみに試乗中にブレーキは一度も踏まなかった。
登坂路に差し掛かり少しアクセルを強めたが、恐ろしいほど加速する感覚はなかったが、これはRWDというものについて過去にマツダロードスターを乗っていた時にリア駆動の恐ろしさを知っている私なので、ベタ踏みをする勇気が無かっただけで、恐ろしい加速を秘めている力は感じることはできた。
アクセルに対するレスポンスは本物である。しかしそれはシビアであるとも言える。どんな車にも言えるがアクセルペダルの物理的稼働域には制限があるため、特にトルクフルなこの車では数ミリのアクセル操作で数10キロの変化が起こるので注意すべきである。そういう立ち上がりをマイルドにするにはチルモードというのがあるらしいが、今回は試していない(忘れていた
ハンドリングもしっかりしており応答性が高い。しかしこれもシビア。ステア操作というものは遊びがあれば質感を落とすし、過敏過ぎれば不安定を感じる。アクセルよりもステアリングに集中しなければ、と無意識に思っていた。
足回り、アクセル、ハンドリング、これらを総合して昔の言葉を借りればステラモデル3は「じゃじゃ馬」である。しかし別にネガティブな意味では無い。買ってしまえば慣れるし、乗りこなす楽しみがある。公道からサーキットまでこなせる懐も深いと感じる。特に高速では素晴らしい安定感があるだろうことは伝わってくる。
おそらく動力性能を考えれば、これでこの価格は間違いなくゲームチェンジャーである。素晴らしすぎる。
もはやスポーツカーを名乗る車はテスラのこのエントリーモデルに勝てないだろう。そのくらい、パワフルでピーキーで圧倒的だと感じた。
そのように感じながら試乗し、私は2つの思いに悩まされることになる。
悲しいかな私は嫁と小学生の子供を持っている。探しているのはこの車なのか?後ろに乗る家族は別に加速やハンドリングなどどうでもいい事だ。
しかし運転するのは私だ。私が楽しく心躍るこの車を買って何が悪い。毎日車を見てニヤニヤし気分がいい父親でいるのは、きっと家族にとって良い効果をもたらすはずだ。
試乗から9時間ほど経ったが今でも答えが出ないのが本音である。
この思いを払拭するにはやはりモデルYを試乗するしかない。これが今の結論である。
ちなみに静粛性について触れなかったのは、特段印象に残らなかったからだろう。確かにEVは静かである。エクストレイルやアウトランダーの静粛性は既に相当高いレベルにあったので、その先入観を持った上でそれを上回る静粛性は感じなかったのが正直な感想である。
あとこれだけは書いておくべきだと感じたことだが、RWDモデルのオーディオについては、はっきり言って幻滅した。昨日AWDモデルのオーディオを体感していたので期待していたぶん、裏切られた気分であった。AWDのオーディオシステムをRWDに付けることは不可能である。テスラの気分が変わらない限り無理であろう。それも含めて考えるなら、私が最近コンパクトで良い音を奏でると評価しているBOSEのSoundLink revolve ii を車内に置くのが一番なのかなと考えている。
総合して言おう。
それでも私はテスラが欲しい。
欲しいと言うのは、乗り続けるのに最適であるということでは無い。
所有し、定期的に行われるソフトウェアアップデートで革新的な機能に触れて、脳を刺激させてやりたい。それが出来るのはテスラしかない。
しかし自分のその気持ちは家族の誰も理解は出来ないし、ハードル以前の問題である。
結論、テスラをファミリーユースで使うには、情報リテラシーが高い相棒(嫁)が必要であるし、嫁を説得するにはモデルYを試乗し「後席も楽しいね、快適ね」と思わせられるかどうかにかかっている。
ちなみに充電問題は全く心配していない。
家から目と鼻の先にスーパーチャージャーがあるからだ。
こんな恵まれた場所で居住しているんだからテスラ買うのは運命だろ、とか能天気になったり、いや家族が・・と。
テスラを購入検討している方。
独り身の方は是非前向きに検討すべきである。テスラに何が出来るのか調べるだけであなたの脳みそは活性化され今までの車の概念をぶっ壊してくれる。あえていうが、テスラは車ではない。移動デバイスである。そして定期的なソフトウェアアップデートを受けられるのはテスラ所有者の特権である。怖いのはハードウェアアップデートであるが、これに対応するには買い換えるしかないが、今後そこまで大規模なハードウェアアップデートが出ることは近い将来にはないと思う。その位、現モデルは完成されていると思う。
それでは良いカーライフを。